水素ガス吸入法(水素ガス吸入器HD-500)による透析患者の酸化ストレスおよびCRPの低減
透析治療中に水素ガスを吸入するだけで酸化ストレスと炎症が低減し、透析患者さんの貧血軽減や合併症抑制が期待できることがわかりました。
クリニックの経費削減をお考えの方、患者さんのQOL改善を願っている方は、ぜひ水素ガス吸入法をご検討ください。
透析患者さんは、透析治療の際に受ける強い酸化ストレスが原因で合併症を発症し、QOLを悪化させています。
加えて、この酸化ストレスによる造血機能の低下や溶血が原因で貧血の方が多く、クリニックではEPO製剤などの処方が大きな出費になっています。
私共は、酸化ストレス対策として、水素ガスの抗酸化力に着目し、安全、簡単、低コストで水素ガスが摂取できる水素ガス吸入法の臨床研究を行いました。
その結果、透析中に水素ガスを吸入いただくだけで、酸化ストレスが低減しQOLを改善する良好な結果を得ました。
加えて、貧血が軽減したため、EPO製剤等の使用量減少による経費削減が期待できます。
■結果まとめ
①水素吸入で酸化ストレスとCRPが減少し、さらに水素吸入中止後も効果が持続した。
②今回の研究における水素の効果の持続性も先行研究と同様に、炎症反応の制御に起因していると考えられる。
③水素ガス吸入法は簡便かつ安価であり、透析患者の予後改善の方法として期待できる。
■お問い合わせ先
TOHO JAPAN トーホージャパン
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透析患者は慢性的に酸化ストレスが高く,この酸化ストレスは,透析患者の炎症反応を亢進し,さまざまな合併症の発症や重篤化との関連が指摘されている.今回,水素ガス吸入法による水素ガスの摂取が透析患者の酸化ストレスに及ぼす影響を検討した.対象は,血液透析患者6名で,酸化ストレス,抗酸化力およびC反応性蛋白(c‒reactive protein: CRP)を評価指標とし,酸化ストレスおよび抗酸化力は,活性酸素代謝物(diacron‒reactive oxygen metabolites: d‒ROMs)および生物学的抗酸化力(biological antioxidant potential: BAP)を測定することで評価した.透析患者は,透析開始の5~10分前に水素ガス吸入を開始し,透析終了後も5~10分間は水素ガス吸入を続けた.なお,水素ガス吸入は,透析機会6回(2週間)連続で行い,その後は通常の透析に戻して,効果の持続性も検討した.透析中の水素ガス吸入により,被験者の酸化ストレスの平均値が433 U.CARRから395 U.CARRに減少し,CRPは1.05 mg/dLから0.61 mg/dLに減少した.さらに,水素ガス吸入を中止した後も効果は持続し,酸化ストレスは349 U.CARRに減少し,CRPは0.42 mg/dLに減少した.水素ガス吸入は簡便かつ安価であり,小規模の透析施設や在宅透析の患者でも実施しやすく,多くの透析治療の場面で合併症予防や予後改善の効果が期待できる.
引用元 日本透析医学会雑誌 54 巻 (2021) 9 号
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